<症例>ゲルソン療法
Aさん、62歳男性。元々食事療法に興味があり、現在は健康で癌を持っている訳では無いのですが(癌検診で問題なし)、予防のための癌の食事療法をやってみたいという相談です。
現代は二人に一人が癌になるという恐ろしい時代ですから、未病の方も癌を防ぐ食事療法をする意味は大きいです。
癌の代替医療はたくさん在りますが、予防のための食事療法ですから、それほど難しい話ではありません。
実は癌の予防のための食事療法は、これまで記事にしてきた様々な食事療法とほとんど同じです。
最も参考にされているのは、渡邉先生のゲルソン療法です。
1. 高カリウム、低ナトリウム食を治療の基本とされており、尿中のカリウム/ナトリウム濃度比を、一般健常者の平均値の約100倍に上げます。尿中カリウム/ナトリウム>11.55を4〜5ヶ月維持できれば、ゲルソン療法は成立して、がん細胞は死滅したと考られます。
2.実施するには、減塩がポイントです。厳しい減塩が出来れば、野菜・果物ジュースの摂取量を大幅に減らせます。減塩のために塩分の多い肉、魚、卵、乳製品を減らします。
原法のゲルソン療法は厳しい内容ですが、自己流で出来る範囲でされており、コーヒーエネマなどはされていません。ケトジェニックダイエットを組み合わせて実践されています。毎日のメニューです。
①野菜ジュースを積極的に摂って、タンパク源はプロテインを使って十分摂り、尿中カリウム/ナトリウム比を上げる、②減塩に気をつける、③ケトン体質を維持あたりがポイントです。
自家製の野菜ジュースの中身は、にんじん、大根、ゴボウ、ほうれん草、小松菜、キャベツ、ショウガ、オクラ、大葉、わかめ、しめじ、かぼちゃ、もずくなどです。
素晴らしい内容なので頭が下がります。
お金もそれほど掛からない、癌や生活習慣病や現代病の予防のための食事です。
渡邉先生が着目されている尿中のNaとKの当院で実施した検査結果です。(保険外自費、採尿、260円)
ほぼ普通の味付けで、梅干しと漬け物を食べている私は、この程度です。
Aさんも「これ以上の減塩は無理です」と言われてました。
渡邉先生の減塩は、はぼ味付け無しだろうと想像します。
夏場は、汗で塩分が失われるので、にがりなどで塩分をある程度は摂る必要があると思います。