亜鉛(Zn)

約20%が潜在性亜鉛欠乏症になっていると言われています。女性に多いです。

ファーストフード、コンビニ食品、加工食品などは亜鉛が少なく欠乏症になりやすいと言われています。

カキ(牡蠣)には100gあたり13.2mgと多く含まれるほか、うなぎの蒲焼100g(1串)には2.7mg、豚・肝臓生100gあたり6.9mgと言われています。現在の洗浄技術が高くなっており、カキを殻からすぐに食べる場合を除いて、食事からの補給は困難と私は考えています。つまり、慢性的な欠乏症の人がかなりいます。

精神症状として、疲れやすい、うつ、切れやすい、暴力性、気分の変動があります。

身体症状は多彩です。

皮膚症状(開口部,四肢,爪周囲,水疱性・膿疱性皮膚炎,びらん性皮膚炎,Candida 感染)、アレルギー性皮膚炎、接触性皮膚炎、にきび、褥瘡(難治性)、アレルギー性鼻炎、口内炎,脱毛,食欲不振・低下,発育障害(低身長,体重増加不良),性腺機能障害,不妊症、熱傷・創傷治癒遅延,易感染性,味覚障害,嗅覚障害、慢性疼痛、糖尿病、腎不全、記憶力、運動失調,貧血、舌痛症などがあります。

亜鉛は数百におよぶ酵素たんぱく質の構成要素として、さまざまな生体内の反応に関与しています。アミノ酸からのたんぱく質の再合成、DNAの合成にも必要なので、胎児や乳児の発育や生命維持に非常に重要な役割を果たしているほか、骨の成長や肝臓、腎臓、インスリンを作るすい臓、精子を作っている睾丸など、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。また、体の細胞にダメージを与える活性酸素を除去する酵素の構成成分であるほか、味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与しています。

 亜鉛が不足すると、たんぱく質やDNAの合成がうまく行えなくなり、成長障害が起こります。また、亜鉛は味を感じる味蕾細胞の産生に必須であるため、亜鉛不足になると味を感じにくくなる味覚障害になる可能性があります。そのほかに、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。

 植物性食品に多く含まれる食物繊維やフィチン酸(穀類、豆類に多い)などは、亜鉛の吸収を妨げます。また、加工食品に多く含まれる食品添加物が、亜鉛の吸収を阻害し、亜鉛欠乏になる場合もあります。

菜食主義者は、一般的に、亜鉛を結合してその吸収を阻害するフィチン酸塩を含むマメ製品や全粒穀類を多く摂取しているため亜鉛不足が多いと言われています。

アルコールの摂取により、亜鉛の排出量が増加し、下痢などによりさらに吸収量も低下します。

サプリメント

https://jp.iherb.com/pr/Now-Foods-L-OptiZinc-30-mg-100-Veg-Capsules/738

 L-OptiZinc® is zinc mono-L-methionine with superior absorption, retention and antioxidant and cell protectant properties compared to other forms of zinc tested.

このキレート錯体と言われるタイプが最も吸収の良いタイプになります。

日本は、保守的で過剰症を気にするあまり、キレート錯体の輸入販売は許可されていません。

個人購入は可能です。

1錠から開始を推奨していますが、重症度に合わせて5錠までは服用しても問題ないと言われています。

デトックス

周期表で同族の、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)のデトックスにも有効です。

鉛やカドミウムと結合しやすいメタロチオネインというタンパク質があり、デトックス効果を発揮します。

亜鉛は、このデトックスタンパク質を積極的に作らせる働きを持ってます。

検査

亜鉛は、さまざまなタンパク質や核酸の構成要素として体全体に分布するため、臨床検査で適切に亜鉛の栄養状態を測るのは困難です。血漿中または血清中亜鉛濃度は、亜鉛欠乏症の評価に最も一般的に使用される指標ですが、厳しいホメオスタシス制御メカニズムにより、必ずしも細胞内亜鉛状態を反映するとは限りません。亜鉛欠乏症の臨床的影響は、血液データに異常がなくても存在しえます。

日本臨床栄養学会では基準値を80µg/dL~130µg/dLにしています。

検査指標として有用なのは、亜鉛酵素であるアルカリホファターゼ(ALP)と、OligoScanである程度は正確に測れると考えてます。

医薬品

医薬品としては、最近になって、低亜鉛血症治療薬として、新たに、特効薬であるノベルジン錠(酢酸亜鉛水和物)が使用できるようになり、亜鉛欠乏症に対して、積極的な治療が試みられるようになってきました。院外投薬の3割負担で25mg錠を1日2回14日分で、自己負担が2740円の計算になります。

サプリの方が、はるかに安いです。

昔から有るプロマック75mg(胃潰瘍治療薬、胃粘膜抵抗強化剤)も亜鉛含有です。

排泄

主に膵液と胆汁から糞便中に排泄される。ストレスに反応して排泄量が増えることが知られています。

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