食品添加物と健康

まとめ:食品添加物は、胆汁うっ滞性肝障害、腸内フローラの乱れ、ADHDなどとの関係が指摘されています。

食品添加物による胆汁うっ滞性肝障害(化学物質誘発性肝障害)の検査としては、直接ビリルビンとアルカリホスファターゼ(ALP) があります。

食品添加物は胆汁うっ滞性肝障害(化学物質誘発性肝障害)の原因になることが指摘されています。(2020, Vilas-Boas)

胆汁うっ滞は、毒性レベルの胆汁酸の蓄積をもたらす、肝臓内 (肝内胆汁うっ滞) または胆道樹 (肝外胆汁うっ滞) 内の胆汁の流れの障害のあらゆる状況を表します。(2017, Tanaka)

成人患者では、通常、アルカリホスファターゼ(ALP) の血清レベルが正常上限の2倍以上に上昇し、アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT) と ALP の比率 (ALT/ALP) が 2 を下回ります。(2013, Bjornsson)

2020年4月1日より、共通のものさし(測定法)が変更され、ALPの基準値は現行法の約3分の1になりました。(現行測定法:JSCC法(日本臨床化学会→新測定法:IFCC法(国際臨床化学連合))

さらに、高ビリルビン血症は胆汁うっ滞の同義語ではありませんが、胆汁うっ滞障害は通常、抱合型ビリルビン排泄障害を引き起こします。したがって、乳児の胆汁うっ滞性黄疸を確立するための最近のガイドラインでは、代理マーカーとして、主に抱合型の直接ビリルビンの血清レベルを 1 mg/dL より上に考慮することを提案していますが (2017, Fawaz)、ほとんどの臨床報告では、実際には 2 mg/dL を超える値に言及しています。(2018, Jenniskens

直接ビリルビンの基準値は、0.4mg/dL以下です。

多くの人工甘味料、乳化剤、および食品着色料は、腸内微生物叢の変化を通じて、IBS の潜在的な原因となる可能性があります。(2020, Rinninella)

食品添加物の腸内フローラ(2020, Cao)(2018, Roca-Saavedra)および脳腸相関(2018, Holder)への悪影響が総括されています。

食品添加物とサプリメントの摂取が少ないほど、腸と肝臓の健康にとって安全であることが総括されています。(2019, Golonka)

フランスの NutriNet-Santé コホート研究 (2009 年~進行中) からの 101,056 人の成人の食事調査にて、加工肉を中心に食品添加物として使用されている硝酸塩と亜硝酸塩について、硝酸塩は乳がんのリスクと正の関連があり、亜硝酸塩は前立腺がんのリスクと正の関連があることが報告されています。(2021, Chazelas)

子供のADHDに対する食品添加物の影響が指摘されています。(2012, Konikowska)(2010, Stevenson)(2012, Conners)(2007, McCann)

自閉症スペクトラム障害への食品添加物の影響が指摘されています。(2009, Blaylock)