脂肪酸の摂り方

人類の歴史において、摂取栄養素の量が大きく変化しています。(2004,  Simopoulos)

特に近年オメガ6脂肪酸の摂取量が増えて、オメガ3脂肪酸が減り、オメガ6/オメガ3比が約50倍になってきています。

オメガ6脂肪酸の過剰摂取が、アレルギー疾患、心血管疾患、自己免疫疾患、癌、肥満などに関与することが知られています。(2008, Simopoulos)(2021, Djuricic)

つまり、オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸ですが、現代社会では不足することは無く、出来るだけ摂取を制限したほうが良いです。

日本食品標準成分表2020年版(八訂)から食品に含まれるオメガ3、オメガ6、ω6/ω3を調べてみました。

多脂魚が、オメガ3を摂るためには要になります。

魚と言っても、油漬の缶詰は植物油を使うためオメガ6の塊になります。水煮の缶詰はオメガ6の問題はありませんが、アルミニウムの問題があります。

畜産系はオメガ6が多いので、アレルギー疾患の方は和食が勧められています。

穀物を餌とする家畜でオメガ6は高い値を示しますが、牧草摂取量の多い牛などではオメガ3が高くなることが知られています。(農研機構)(2010, Delay)

α-リノレン酸はえごま油や亜麻仁油から摂取することが出来ますが、α-リノレン酸のオメガ3脂肪酸へのヒトでの変換効率は5%以下と低いため(2002, Brena)、オメガ3の摂取源としては効率的ではありません。

豆類と種実類については、オメガ6が高くなっています。

アレルギーには和食が良いと言っても、豆類と種実類は注意が必要です。

大豆系と栗のω6/ω3比は、多脂魚と家畜類の中間的な結果になっています。