緑内障を漢方で改善|最新論文
まとめ:緑内障は中医学では主に「五風内障」「青風内障」と捉え、肝鬱気滞、肝腎虧虚、脾虚、痰湿、血瘀・水停、玄府閉塞などを主要病機とし、特に病期が長くなるほど肝腎虚損に血瘀を伴う傾向が重視される。治療は疏肝解鬱・活血通絡・利水化痰・滋補肝腎・益気明目を中心とし、逍遥散、補中益気湯、補陽還五湯、桃紅四物湯合五苓散などのほか、青光安Ⅱ号方(枸杞子、川芎、黄耆、灯盞細辛)、複方血栓通(三七、黄耆、丹参、玄参)、益陰明目合剤(黄精、五味子、枸杞子、麦冬、当帰、党参、知母、石菖蒲)などが報告されている。単味中薬では灯盞細辛、川芎、丹参、三七、葛根、銀杏葉(イチョウ葉)、藏紅花、柴胡、当帰、茯苓などが多く取り上げられ、特に活血通絡・微小循環改善による眼血流改善と、抗酸化・抗炎症・RGC(網膜神経節細胞)アポトーシス抑制による視神経保護が重要視されている。全体として中医治療は単なる降眼圧ではなく、「活血通絡・利水+疏肝+補肝腎」により眼血流と視神経を保護することが中心的な方向性である。
原発性開放隅角緑内障(POAG)を中医学の「青風内障」と捉え、病位は主に肝で脾・腎にも関係し、肝鬱気滞、脾虚下陥、肝腎精血不足、血瘀水停などが主要病機とされる。治療は疏肝解鬱・通玄明目、升陽挙陥・益気明目、培補肝腎・益精明目、化瘀剔絡・養血明目を中心とし、逍遥散加減、補中益気湯、明目地黄湯、剔絡養血明目方、益精補陽還五湯などにより、眼圧のみならず視力・視野、眼部血流や視神経保護の改善が報告されている。また葛根素、灯盞花素、川芎嗪などの中薬成分にはRGC(網膜神経節細胞)のアポトーシス抑制や微小循環改善作用が示されている。針灸も眼圧、視野、視神経機能の改善を目的に併用されるが、現時点では大規模・多施設RCTなど質の高いエビデンスが不足している(2026, 孫文英)。
青光眼性視神経萎縮(GOA)は中医学では「五風内障」「青盲」に属し、肝腎虚損を本、風・火・痰・瘀を標とする本虚標実が基本病機とされ、調和肝気・滋補肝腎・通竅活絡を治療の主軸とする。中薬では**青光安Ⅱ号方(枸杞子、川芎、黄耆、灯盞細辛)、通竅明目Ⅳ号方(柴胡、当帰、葛根、鬱金など)、青盲一号方、複方血栓通(三七、黄耆、丹参、玄参)**などが用いられ、視力・視野の改善、眼部微小循環改善、RGC(網膜神経節細胞)のアポトーシス抑制などが報告されている。特に活血通絡による眼血流改善と、灯盞細辛・葛根素などによる視神経保護が重視されている。針灸では睛明、球後、太陽、攢竹、承泣などを中心に、眼三針や韋氏三聯九針などが用いられるが、臨床研究は小規模なものが多く、今後は大規模・多施設研究が必要とされる(2026, 劉子熙)。
青光眼を中医学の「五風内障」と捉え、**「玄府閉塞 → 絡脈不通 → 郁滞が長期化 → 内毒形成」という病機進展を提唱している。玄府閉塞による神水停滞と、絡脈障害による眼部気血・微小循環障害が基盤となり、痰・瘀・湿などが蓄積して「郁而化毒」に至り、この内毒がRGC(網膜神経節細胞)障害を進行させ、青光眼が難治・不可逆化する要因になると考察している。治療は「開玄通絡、散郁解毒」**を基本とし、柴胡、防風、羌活、細辛、川芎、赤芍、当帰、丹参、灯盞細辛などによって気機を疏通し、活血通絡するとともに、熱毒を伴う場合には赤芍、紫草、菊花、玄参、牛黄、羚羊角などによる清熱涼血解毒を組み合わせる。すなわち単純な降眼圧ではなく、開玄・通絡・解毒によって視神経障害の進行を抑えるという中医学的治療モデルを提示している(2024, 楊倩倩)。
青光眼性視神経病変では、RGC(網膜神経節細胞)のアポトーシスと視神経軸索障害を抑える視神経保護が重要とされ、中医学では青光眼を「五風内障」、進行した視神経萎縮を「青盲」と捉え、肝経の陰陽失調、気血不和、気機不利、玄府閉塞、神水積滞などを主要病機とする。治療には舒肝明目湯(構成生薬の記載なし)、大補肝湯(構成生薬の記載なし)、通竅明目4号(構成生薬の記載なし)、青光安顆粒・青光安Ⅱ号方(構成生薬の記載なし)、加味益精補陽還五湯(構成生薬の記載なし)、清肝明目湯(構成生薬の記載なし)、剔絡養血明目方(構成生薬の記載なし)などが用いられ、さらに「従郁論治」として早期には加味逍遥散(構成生薬の記載なし)、中期には温胆湯(構成生薬の記載なし)+五苓散(構成生薬の記載なし)、晩期には**加減駐景丸(構成生薬の記載なし)+内障病主方(構成生薬の記載なし)**が使用され、視力・視野、血液流動性、視神経血流などの改善が報告されている。
単味中薬・有効成分では、銀杏葉、灯盞花素、枸杞子・枸杞多糖、槲皮素、紅景天苷、藏紅花、葛根素、柴胡-葛根などが、抗酸化、興奮毒性抑制、免疫調節、RGCアポトーシス抑制などを介して視神経を保護する可能性が示され、針灸にも眼圧低下、眼血流改善、BDNF上昇、RGC保護作用が報告されている。一方、大規模・多施設・高品質RCTは不足している(2024, 楊二双)。
青光眼を中医学の「青風内障」「緑風内障」などに位置づけ、病位は主に肝で、肝腎虧虚、肝鬱化火、肝鬱気滞、痰湿泛目などを主要証型とし、特にPOAGでは眼圧の高低にかかわらず血瘀が重要な病理要素とされる。治療の基本は疏肝解鬱・行気活血・通調水道で、眼圧低下だけでなく、眼血流灌流改善と視神経保護を重視する。
中薬では明目逍遥顆粒(本文に構成記載なし)、疏肝明目湯(本文に構成記載なし)、益腎通絡明目湯(本文に構成記載なし)などが用いられ、単味では柴胡、白芍、鬱金、百合、丹参、川芎、葛根、灯盞細辛、銀杏葉などが挙げられる。これらは疏肝解鬱、活血化瘀、微小循環改善、抗酸化、免疫調節、RGC(網膜神経節細胞)アポトーシス抑制などを介して視野・視神経を保護する可能性が示されている。
さらに明目通竅湯(本文に構成記載なし)+針灸、益精杞菊地黄顆粒(本文に構成記載なし)+針灸、龍胆五苓合剤(本文に構成記載なし)、複方血栓通膠囊(本文に構成記載なし)、明目地黄湯(本文に構成記載なし)、加味桑白皮湯(本文に構成記載なし)などの中西医結合治療も報告され、眼圧、視野、眼血流、視神経機能の改善が示されている。針灸では承泣、睛明、球後、太陽、合谷、太衝、行間、光明、風池などが中心で、24時間眼圧変動の安定化や眼動脈灌流改善も報告されている(2021, 鄭嘉琦)。
眼科疾患の「証候」と客観的病態との関係を整理した論文です。青光眼については、原発性青光眼は肝経病証との関連が強く、病期の進行に伴って「肝経実証 → 脾腎虧虚」へ移行する傾向が示され、視神経障害の早期には実証、重症例では虚証が多いと報告されている。特にPOAGでは、高眼圧型だけでなく正常眼圧緑内障でも血液が高凝固状態を示す「血瘀」病態が認められ、証型は肝鬱気滞証 > 肝腎虧虚証 > 痰湿泛目証の順に多い。房水蛋白量では逆に痰湿犯目証 > 肝鬱気滞証 > 肝腎陰虚証の傾向が報告されている。また術後早期は気鬱証が中心だが、6か月以降は気鬱証・気血両虚証・肝腎陰虚証が増え、病程の長期化に伴い「実から虚へ」移行しながら、血瘀が持続することが特徴とされる。したがって青光眼の中医病機は、初期:肝鬱気滞・肝経実証 → 中期:血瘀・痰湿を併発 → 後期:肝腎虧虚・気血両虚+血瘀という進展として整理できる。針刺では球後、太陽、合谷、太衝を用いた研究で、特に気鬱化火証で眼圧低下が大きかったとされ、証型によって治療反応が異なる可能性も示されている。この論文には青光眼治療の具体的な方剤・構成生薬の記載はありません。 方剤論というより、これまでの論文で出てきた**「疏肝・活血・化痰・補肝腎」を病期によって使い分ける根拠になる論文**です(2020, 欧晨)
青光眼は中医学では「青風・緑風・黄風・黒風・烏風」などの五風内障に属し、病因は風・熱・火・痰・湿・虚・鬱に集約され、肝・脾・腎を中心に、早期は肝に関連した実証、晩期は肝腎虧虚を中心とする虚証へ移行し、気血失和、気機阻滞、玄府閉塞、神水停滞を生じると考えられる。治療は肝経風熱には搜風清熱・利湿化痰、肝鬱気逆には疏肝解鬱・降逆理気、肝腎陰虚には滋陰潜陽・補益肝腎、気虚血瘀には補気活血・化瘀通竅、肝邪脾虚には温肝降逆・健脾散寒を用い、開角型青光眼では特に疏肝理気・活血利水が重視される。
具体的には術後の気虚血瘀・脈絡阻滞に黄耆、生地黄、地龍、紅花、赤芍、茯苓、車前子を用いて益気活血利水を図り、経験方として知柏地黄湯加減(本文に構成生薬の記載なし)、難治性青光眼には夏枯草、炙鼈甲、菊花、懐牛膝、生赭石、生白芍、草決明、猪苓、茯苓、沢瀉、生石決明、生梔子、合歓皮、夜交藤などが用いられている。また青光眼術後の視神経保護には**復明飲(柴胡、梔子、当帰、牡丹皮、石菖蒲;本文記載分)**が用いられ、清熱疏肝・通竅明目による視野・視覚誘発電位の改善が報告されている。
単味中薬では**葛根(葛根素)、川芎(川芎嗪)、灯盞細辛、丹参、銀杏葉、三七(三七総皂苷)などに、眼底微小循環改善、抗血小板作用、抗酸化作用、RGC(網膜神経節細胞)保護作用が報告され、さらに眼圧コントロール後の早期青光眼では益精杞菊地黄顆粒(本文に構成生薬の記載なし)**による視野平均感度・平均欠損などの改善が報告されている。総じて、青光眼治療では単なる降眼圧だけでなく、疏肝解鬱・活血利水・滋補肝腎・通竅明目によって眼血流と視神経を保護することが中医治療の重要な方向とされる(年記載不明, 霍双)。
青光眼は中医学では「五風内障」に属し、特に緑風内障・青風内障として捉えられ、中医治療では眼圧低下と視神経機能の保護が重視される。眼局所では睛明、瞳子髎、太陽、攢竹、四白などへの刺激により局所微小循環を改善し、視機能を保護する可能性が示され、中薬では川芎由来の川芎嗪が慢性高眼圧モデルで網膜神経節細胞・双極細胞を保護し、術後には複方丹参注射液、魚腥草注射液による視野・視力改善が報告されている。痰火衝逆・肝胆火熾による緑風内障には清降痰濁・平肝瀉火を目的に**羚羊角飲子加減(本文に構成生薬の記載なし)を用い、陰火上擾・肝鬱気逆による青風内障には滋陰降火・疏肝解鬱を目的として知柏地黄湯(本文に構成生薬の記載なし)+逍遥散(本文に構成生薬の記載なし)を用い、上花穴への針治療を併用した24例では22例が顕効または有効で総有効率91.67%であった。 総じて中医治療は、疏肝解鬱、清肝瀉火、化痰利湿、滋陰降火などを証に応じて組み合わせ、針灸・中薬による「降眼圧+微小循環改善+視神経保護」**を目指す治療として位置づけられている(2015, 宋慧玲)。
青光眼は中医学では五風内障に属し、病機は情志失調による肝気鬱結、肝腎陰虚、脾胃虚弱を本とし、風・水・痰・湿・血瘀などが関与して玄府閉塞、神水瘀積、目系失養を生じると考えられ、特に開角型では肝鬱気滞、肝腎虧虚、陰虚火旺が主要証型で、術後には気虚血瘀・脈絡阻滞が重視される。治療は疏肝解鬱、清熱化痰、滋補肝腎、益気活血利水を基本とし、単味薬では灯盞細辛、藏紅花、川芎、丹参、三七、葛根、銀杏葉などに眼部微小循環改善やRGC(網膜神経節細胞)保護作用が報告されている。
複方では補陽還五湯加減(本文に構成生薬の記載なし)がRGCアポトーシスを抑制し、桃紅四物湯合五苓散(本文に構成生薬の記載なし)は活血利水・降眼圧を目的として用いられ、石決明散合息風湯(石決明、草決明、赤芍、木賊、麦冬、防風、鈎藤、青葙子、荊芥、梔子、玄参、麻黄、蛇退〔風火盛には竜胆草、陰虚には生地黄を加える〕)、中晩期の気陰両虚には益陰明目合剤(黄精、五味子、枸杞子、麦冬、当帰、党参、知母、石菖蒲など)、清肝熄風・滋陰明目・行気利水には鎮青湯(竜胆草、草決明、石決明、檳榔、生白芍、蒺藜、沢瀉、王不留行、丹参〔肝腎陰虚には桑葉、黒芝麻、熟地黄、悪心嘔吐には法半夏、黄芩を加える〕)が用いられている。 また四輩平肝湯(夏枯草、決明子、石決明、生地黄、黄芩、大黄、猪苓、茯苓、沢瀉、木通、茵陳、梔子、制香附、丹参)は平肝明目・通腑導瀉・利水降圧を目的とする。総じて青光眼の中医治療では活血利水が重要な治則であり、文献上使用頻度の高い生薬は**茯苓42.42%、川芎28.03%、当帰27.27%**であるが、大規模・多施設・二重盲検RCTは不足している(年記載不明, 王蕾蕾)。

