拒食症を漢方で改善|論文

小児・青少年の拒食・厭食は、中医学では脾胃の失調、とくに脾失健運・胃納失司を基本病機とし、脾胃気虚、脾胃陰虚、食積、湿熱・痰湿、肝脾不和・肝鬱などに弁証する。治療は「脾健不在補、貴在運」の考えから、単純な補脾より健脾・運脾・消食・理気・化湿を組み合わせ、蒼朮、白朮、茯苓、太子参、党参、山薬、陳皮、砂仁、鶏内金、山楂、神曲、麦芽、枳実・枳殻、厚朴、莱菔子などが多く用いられる。肝鬱・肝脾不和には柴胡、白芍、郁金、仏手など、脾胃陰虚には石斛、麦冬、沙参、玉竹などを加える。代表方として四君子湯加味、異功散、参苓白朮散、香砂六君子湯、養胃増液湯、枳術丸、保和丸、平胃散などが報告され、推拿・捏脊・穴位貼敷なども併用されている。

小児厌食症は食欲低下・食事量減少を主症状とし、中医学では脾胃の失調を中心に、脾失健運、脾胃気虚、脾胃陰虚、肝脾不和、脾胃湿熱の5証型に分類する。脾失健運には保和丸、健脾消積顆粒など、脾胃気虚には参苓白朮散、加味異功散、脾胃陰虚には養胃増液湯加減などを用い、西洋医学的な栄養・消化管機能・腸内細菌叢への介入を組み合わせる。さらに小児推拿、捏脊、穴位貼敷などの外治法も併用され、特に小児推拿は食欲・食事量・体重増加を改善する可能性が示されているが、研究の質には課題が残る。脾胃陰虚型では養胃増液湯加減と捏脊療法の併用による食欲、便干、痩せの改善も報告されている。(2026年、冯小荣)

青少年神経性厭食症(AAN)を「腸脳同調」の観点から中医治療した研究をまとめた総説です。脾胃を気血生化の源とし、情志・肝の疏泄との関係を重視する中医学の考え方を、現代医学の**腸内細菌―腸―脳軸(MGBA)**と関連づけています。中薬治療では疏肝解鬱・健運脾胃を基本とし、逍遥散、六鬱湯などを用いる。具体的には、異功散合芍薬甘草湯加味(太子参、茯苓、白朮、甘草、白芍、陳皮、鶏内金など)による健脾益気・疏肝理気・消食助運、肝鬱気滞には柴胡疏肝散加減、心神症状には甘麦大棗湯、久病で脾胃虚寒には補中益気湯合二仙湯+枳実、檳榔、厚朴などが報告されている。軽症には疏肝健胃湯、重症には開竅化痰湯、長期栄養不良による閉経には養血調経湯が用いられている。中薬は脾胃機能だけでなく、腸内細菌叢の多様性・微生態を調節する可能性も示されており、論文では中薬、鍼灸、推拿などを介した「腸脳同調」がAAN治療の一つの方向性になるとしている。ただし、大規模RCTが不足しており、有効性・安全性については今後の臨床的検証が必要としている。 (2025年、曹惠蓮)

小児厭食症は病位を脾胃、基本病機を脾失健運・胃納失常とし、主に脾失健運、脾胃気虚、脾虚肝旺に弁証される。脾失健運では食欲不振、食後腹満、噯気・悪心、大便不調などを呈し、調和脾胃・運脾開胃を図る。脾胃気虚では納呆、食而不化、便溏、痩せ、倦怠、少気懶言などを呈し補気健脾し、脾虚肝旺では厭食・腹満に易怒、夜驚、多汗などを伴い疏肝理気・和胃健脾を行う。 臨床研究では脾失健運型に**四君子湯加味(太子参、白朮、茯苓、炙甘草、鶏内金、神曲、炒山楂、蒼朮、厚朴、陳皮、独脚金)**が用いられ、小児推拿との併用で中薬単独より高い有効率が報告されている。 小児推拿は弁証に応じた取穴によって症状改善が報告されているが、腸内細菌叢や宿主代謝を含む作用機序については今後の研究が必要とされる。 (2023年、趙錦涛)

小児厭食症は脾虚を主要病機とし、脾虚肝旺、脾胃虚弱、脾胃陰虚、脾失健運などに弁証される。 脾虚肝旺には調中湯(茯苓、白朮、白芍、陳皮、桔梗、枳殻、太子参、柴胡、甘草)や四君子湯加減(党参、白朮、柴胡、陳皮、焦三仙、鶏内金、白芍、茯苓、枳実、炙甘草)、脾胃虚弱には**香砂平胃湯(蒼朮、厚朴、陳皮、法半夏、焦三仙、太子参、茯苓、白朮、砂仁、木香、炙甘草)**などが用いられ、食欲や胃腸機能の改善が報告されている。 脾胃陰虚には山薬、石斛、麦冬、沙参などによる滋陰清熱、脾失健運には蒼朮、陳皮、鶏内金、山楂、神曲などによる健脾消食・運脾が用いられ、証型に応じて健脾を基本に疏肝、消食、滋陰などを組み合わせることが治療の中心とされる。 (2023年、任蓓蓓)

小児厭食症は病位を脾胃、基本病機を脾胃不和・納運失常とし、邪熱不清、湿滞中焦、肝気犯胃、食積、脾胃気虚、肝旺脾虚、脾胃陰虚など多様な証型を認める。 中薬では脾虚食積に四君子湯加減、脾失健運に加味枳術丸、脾虚肝旺に加味異功散、脾胃湿熱に藿朴夏苓湯合保和丸加減、脾胃気虚には参苓白朮散などが用いられ、食欲や胃腸機能の改善が報告されている。 また、藿香、莱菔子、鶏矢藤、茵陳、山薬、炒麦芽、炒谷芽、炒鶏内金、太子参、竜胆、石斛からなる藿茵胆草飲など、健脾・消食・化湿を中心とした自擬方も用いられている。 推拿、四縫穴への針刺、穴位貼敷、中薬内服との併用も報告されているが、客観的な弁証・効果判定基準や作用機序の研究が今後の課題とされる。 (2023年、景姫)

小児厭食症は病位を脾胃、基本病機を脾胃不和とし、脾失健運、肝旺脾虚、脾胃陰虚、脾胃気虚、気血虚弱などに弁証される。 治療は健運脾胃を基本とし、脾胃気虚には七味白朮散、肝旺脾虚には四逆散加味、脾胃湿熱には達原飲などが用いられる。 自擬方では醒脾消食湯(太子参、砂仁、枳実、葫蘆茶、布渣葉、山楂、茯苓、陳皮、鶏内金)、情志・肝鬱を伴う場合には疏肝楽食湯(醋柴胡、醋白芍、百合、醋郁金、焦山楂、仏手、炒谷芽、砂仁)、脾虚肝旺には**調肝理脾顆粒(炒蒼朮、炒白朮、柴胡、白芍、茯苓、陳皮、当帰、炒扁豆、連翹、焦山楂、枳殻、仏手、鈎藤、木香、丁香)**が報告されている。 推拿、穴位貼敷、四縫穴への針刺などの外治法も併用され、食事・脾胃の養護に加えて情志面への対応も重視される。 (2019年、祁輝)

小児厭食症は病位を脾胃、脾失健運を病機の中心とし、脾胃虚弱・食積、肝気鬱結、脾胃陰虚、痰湿内停などに弁証して治療する。 脾胃気虚・運化無力には香砂六君子湯、脾胃陰虚には養胃増液湯(白芍、石斛、甘草、北沙参、玉竹、烏梅)、食滞・脾失健運には枳術丸、脾陽不振には丁萸醒脾湯、痰湿内停には二陳湯合平胃散などが用いられる。 また運脾法を重視し、脾胃虚弱には茯苓、党参、陳皮、神曲などで益気健脾し、運化失調には陳皮、焦山楂、蒼朮、鶏内金、佩蘭などで燥湿・消食する。 推拿、針灸、穴位貼敷などの外治法との併用も行われ、調理脾胃・健脾運脾を治療の基本としている。 (2016年、韓丹丹)

小児厭食症は脾胃不和を基本病機とし、脾胃気虚、脾陰不足、肝胃不和、脾虚夾積、湿熱内蘊などに弁証され、単純に補脾するだけでなく**「脾健不在補而貴在運」として健脾と運脾を併用することが重視される。脾胃気虚には加味異功散(太子参、白朮、茯苓、陳皮、枳実、蒼朮、焦三仙、鶏内金、砂仁、甘草)、脾陰不足には養胃増液湯(石斛、麦冬、玉竹、白芍、生谷芽、牡丹皮、甘草ほか)、肝胃不和には鈎藤異功散合保和丸加減(党参、炒白朮、茯苓、甘草、陳皮、鈎藤、連翹、半夏、莱菔子、鶏内金、焦四仙、紫蘇梗、黄耆、防風、当帰、赤芍)、脾虚夾積には香砂増食湯、湿熱内蘊には三仁湯加減(苦杏仁、薏苡仁、白豆蔻、通草、法半夏、厚朴、黄芩、藿香、佩蘭、滑石)**などが用いられている。 (2016年、王鵬飛)


小児厭食症は脾運失職・胃納失司を主要病機とし、「脾健不在補、貴在運」の考えから、単純な補脾ではなく運脾を中心に消食・理気・化湿・健脾を組み合わせることが重視される。 脾胃不和には山術湯(蒼朮、山楂、白朮、鶏内金、莪朮、厚朴、莱菔子)や運脾散(蒼朮、茯苓、白朮、山薬、薏苡仁、陳皮、枳殻、神曲など)、肝脾不和には蒼朮を中心に柴胡、仏手、蘇梗などを配した疏肝運脾湯などが用いられ、補運兼施・消補兼用が特徴とされる。 動物研究では、蒼朮を中心とする運脾方がCCK-8などの脳腸ペプチドや胃腸ホルモン、摂食中枢に作用して食欲・胃腸運動を調節する可能性も報告されている。 (2016年、張艶華)