気象病の治療
まとめ:気象病は冷え性と密接に関連しています。
治療はセロトニン経路を強化する方法と冷え性の治療などがあります。
気象病は雨が降る前になると体調を崩す病態ですが、低気圧が身体のストレスとなり、気分の低下や関節痛などの症状を起こしてきます。
梅雨時や台風シーズンで体調を崩す人は、気象病かもしれません。
気象病は、セロトニン経路の問題だけでなく、冷え性と密接に関連しています。
低気圧は低酸素ストレスなので、交感神経系が抑制されて身体の代謝機能が低下し、低体温になるからです。
1.低グルカゴンダイエット
糖質制限などの低インスリンダイエットをやり過ぎると、痩せホルモンのグルカゴンが過剰に分泌されて、筋肉が痩せてくる、つまりアミノ酸から糖新生が起こって来ます。この状態になると、身体はタンパク質の分解を防ぐための生理的代償反応として、省エネモードとなり甲状腺機能が低下して(low T3 症候群)、冷え性になります。
極端な小食や断食をしたり、食べ物を食べたり食べなかったりを繰り返していると、身体が飢餓モードになりグルカゴンが分泌されます。
一方でパンやお菓子などの精製糖質を食べると血糖スパイクを招いた結果として、機能性低血糖症となり、痩せホルモンのグルカゴンが分泌されます。
グルカゴンの分泌を防ぐためには、①糖質制限はゆるめのロカボ(1日糖質量100g〜150g)、②食事回数を1日3回をきっちり食べて、③精製糖質は避けて、複合炭水化物の果物、高糖質野菜のイモ類、玄米などで糖質を摂取します。
2.セロトニン経路の強化
食事は、高タンパク食、高線維食を摂ります。
セロトニン経路の前駆物質のトリプトファンや5-HTPは、経口で摂取したタンパク質由来のものと、腸内細菌が作ってくれたものがあります。
サプリでトリプトファン、5-HTP、ナイアシン、ナイアシンミドを摂る方法もあります。
体内のトリプトファンの主要代謝経路は、セロトニン経路ではなくキヌレニン経路です。ストレスが罹るとセロトニン経路は抑制されて、キヌレニン経路が活性化します。このキヌレニン経路にネガティブフィードバックを掛けるのが、ナイアシン、ナイアシンミドです。
3.運動
身体の代謝を上げたり、交感神経を活性化するために運動が有効です。
また同じ理由で、入浴やサウナも有効ですし、汗腺を開く効果もあります。
マッサージやストレッチも有効です。
4.保温
腹巻き、靴下の重ね履きなどで、低体温を防ぎます。
5.体温を上げる食べ物
にんじんジュース、生姜などが体温を上げると言われています。
特に生姜は、血行を改善して基礎代謝を上げますので、生姜茶などで積極的に摂取します。
新生姜の甘酢漬けなどを作って、常食する方法があります。
蒸し生姜など、生姜を温めるとさらに効果が高いと言われています。
漢方薬の7割に生姜が入っています。加味逍遙散、胃苓湯、葛根湯 、小柴胡湯、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)などがあります。