聴覚過敏の治療について

2020年8月16日

以前に聴覚過敏の治療のために、Integrated Listening SystemsのSSPを導入していましたが、効果が不十分なため、現在は中止しています。

聴覚過敏は、自閉症スペクトラム症などの症状のひとつです。

健常者の耳は、ノイズキャンセラー機能とも呼べるような、雑音をカットする機能を持っています。これはカクテルパーティ効果を呼ばれるもので、雑踏の中での会話を可能にすることが出来ます。

脳神経の顔面神経VIIと迷走神経Xを介して、耳の中の中耳筋を調整して、特定の周波数に合わせて、他の周波数の音をカットします。

自閉症では、この機能が不十分なために、結果として聴覚過敏が起こって来ます。

脳神経の顔面神経VIIと迷走神経Xは、ポリヴェーガル理論で腹側迷走神経と言われる末梢神経です。この腹側迷走神経は、中枢神経(大脳)ではミラーニューロンシステムに対応していることを津田真人先生が指摘されています。

ミラーニューロンは、脳内のネットワークの中で、共感や対人関係の繋がりのための神経回路で、自閉症はこのミラーニューロンの機能低下が起きることによって社会性に問題が出ると言われています。

Integrated Listening SystemsのSSPは、音声刺激から脳神経VIIとXを訓練する方法でしたが、根本の原因は中枢神経(大脳)のミラーニューロンに在ったために効果が不十分だったと考えています。SSPは短期間の聴覚トレーニングですが、短期間でミラーニューロンの機能を改善するのは無理があります。

因みに、当院で実施している定量脳波では、ミラーニューロンの問題に対応したμ波を検出することで、自閉症特性をある程度は推測することが可能です。

聴覚過敏を治すためには、ミラーニューロンの機能改善がポイントになってきますが、そのための具体的な方法は、第一に小腸、大腸、腸内細菌叢を含めた腸内環境の改善です。理想の快便を目指して行きます。

腸内環境を改善することによって、腸脳相関を使って、ミラーニューロンの機能を改善して行きます。

色々な治療法が在りますが、自閉症の治療の第一歩も、腸内環境の改善になると考えています。

腸内環境の改善のためには、これまで記事にしてきた基本的な栄養療法(糖質制限・高タンパク食)、SIBOの改善のための低FODMAP食腸カンジダ症の治療有害ミネラルのデトックス現代病のための食事療法などが必要です。

もうひとつの方法は、皮膚の改善です。聴覚過敏のあるケースでは、乾燥肌、アレルギー、アトピー、脂漏性皮膚炎、皮膚カンジダ症などが合併することが少なくありません。

脳腸・皮膚相関によって、肌の状態が脳に影響してきます。

肌の改善のためには、基本的な栄養療法(糖質制限・高タンパク食)、アトピーや皮膚カンジダ症などの治療、植物油の制限などが必要です。