不眠とうつに、7秒スクワット

2020年8月28日

2020年のHuらは、運動にうつ病の改善効果があることを総論としてまとめています。

どんな種類の運動が良いかについては、激しい運動と軽い運動では効果に差が無いこと、長時間の有酸素運動も有効ですが、短時間の筋トレの方がより効果があることが指摘されています。

2018年にSakanoらは、運動が睡眠の質を改善することを総論としてまとめています。

不眠とうつに運動が効果があるという記事ですが結論は、ズバリ、夕食後の7秒スクワットです。

この本では週2回となってますが、毎晩不眠のある人は、夕食後に毎日をお勧めしています。

1セット30回がきつい人は、5回でも10回でも出来る範囲で良いと伝えています。

メカニズムとしては、アミノ酸の脳への輸送系についての理解が必要です。

トリプトファンなどの芳香族アミノ酸とロイシン・バリンなどの分枝鎖アミノ酸に共通の輸送系(Lシステムトランスポーター)を介して、お互いの血中有効濃度に依存して競合的に脳に入ります。

トリプトファンは、脂肪酸と同じく、その大部分が血中アルブミンに結合した形で存在し、アルブミンから遊離された型の濃度が輸送系に重要です。このことを頭に入れて考えると、筋トレのような激しい運動後には,血中で遊離脂肪酸が増え、そのために遊離型のトリプトファンを増やします。一方で、分枝鎖アミノ酸は、骨格筋に窒素供給源として取り込まれるために(ボディビルダーがBCAAを摂る理由)、血中濃度が減少します。

この双方の結果 により、筋トレ後は、遊離のトリプトファンが相対的に増える形になり、トリプトファンの脳への移行量が上昇し,トリプトファン濃度に依存しているセロトニン、メラトニン生合成が 活性化されます。

また、睡眠ホルモンのメラトニンと、血糖を下げるインスリンは意外な拮抗関係があります。

●がインスリン、▲がメラトニンで、1日のリズムで見ると反対の関係になっています。

7秒スクワットを行うと、筋肉にブドウ糖が取り込まれて、血糖値スパイクを防ぐことが出来ます。

このことでインスリンの分泌を減らして、相対的にメラトニンの分泌を促進出来ます。

夜の睡眠のためには、夕食後に運動をする方が良い理由がこの関係性です。

今回は7秒スクワットを記事にしましたが、似たような広範囲の筋肉トレーニングであったり、継続が可能なら室内サイクリングやウォーキングのような有酸素運動でも良いと思います。

過度にならない範囲で、気楽に楽しく継続できる運動であれば、基本的には何でも良いのではないでしょうか。

疲労が回復出来ないレベルの激しい運動は、逆効果になる場合がありますので注意が必要です。

残念ながら運動療法にあまり反応されない方もおられるようで、個人差があるようです。

試してみる価値がある方法のひとつと考えています。