新型コロナと免疫不全

まとめ:新型コロナ感染症、後遺症、ワクチン後遺症では、T細胞機能不全による免疫不全が起こり帯状疱疹などが活性化します。ワクチンのブースター接種によって免疫不全が促進することが指摘されています。

新型コロナ感染症に続いて、ヘルペスウイルスは発症が世界中で報告されています。新型コロナ感染後の1〜2週間以内に最も頻繁に発生します。VZV の再活性化は、COVID-19 患者の 帯状疱疹 (HZ) は、細胞性免疫の低下に続く潜在的な水痘帯状疱疹ウイルス (VZV) の再活性化によって引き起こされることから、T 細胞機能不全 (リンパ球減少症やリンパ球枯渇を含む) の結果として起こるという仮説が立てられています。(2021, Diez-Domingo)

重度の新型コロナ感染症では、高率にヘルペスウイルスが再活性化することから、免疫不全が起こることが報告されています。100人中63人がPCRで定量したところヘルペスウイルスの増加が認められましたが、抗ウイルス剤の使用が必要になることはほとんどないレベルでした。(2021, Saade)

新型コロナワクチン接種後に帯状疱疹が発症する症例が、2021年8月時点で20論文で399件が世界中で報告されています。(2021, Iwanaga)

免疫不全が起こる感染症はHIV感染がありますが、第一段階で帯状疱疹ウイルスが活性化してきます。

HIVによって免疫機能が低下するメカニズムは、免疫機能の司令塔に相当するCD4陽性T細胞(免疫機能を担う「T細胞」という細胞のグループの中で、特に「CD4」という物質を表面に持っている種類のことを指します)にHIVウイルスが感染してCD4陽性T細胞の数が減るからです。

新型コロナ感染症の入院患者の 63% にリンパ球減少症があり、重症入院患者では 85%であることが報告されています。(2020, Huang)

新型コロナ感染症ではCD4陽性T細胞数が減ることが報告されています。(2020, Huang)

SARS-CoV-2 RNA は、T および B リンパ球と NK 細胞を含むほとんどの免疫細胞で検出されます。(Ren, 2021)

COVID-19 患者の末梢血単核細胞 (PBMC) では、p53 を介したアポトーシス シグナル伝達経路を表すいくつかの遺伝子がアップレギュレートされていることが報告されています。 (2020,  Xiong)

COVID-19患者におけるリンパ球減少症の推定メカニズムとして、SARS-CoV-2 が炎症性単球およびリンパ球に直接感染して複製し、in vitroで T リンパ球のアポトーシスを引き起こすと考えられます。(2022, Wang)(2022, Pontelli)

SARS-CoV-2によるTリンパ球のACE2非依存性感染することが報告されています。(2022, Shen)
新型コロナ後遺症における免疫不全によって発癌リスクが上がることが総括されています。(2021, Saini)

新型コロナワクチンのブースター接種によって、CD4陽性およびCD8陽性T細胞の活性化が大幅に損なわれるなどで、免疫不全を促進させることが報告されています。(2022, Gao)

イノシン プラノベックス(Inosine pranobex、商品名:イソプリノシン)は、T細胞に作用して細胞性免疫を強化する作用および抗ウイルス特性を備えた合成薬剤です。SSPE、HSV、および水痘感染症、呼吸器感染症、インフルエンザ、ウイルス性肝炎などのさまざまなウイルス性疾患の治療、HPV やHIV感染症の補助療法、自己免疫疾患の治療薬として有効性が報告されています。(2019, Sliva)

イノシン プラノベックスは、新型コロナ感染症に対する有効性が報告されています。(2021, Beran)

新型コロナワクチンによる免疫抑制のメカニズムとして、シュードウリジン(CH3-U)で難分解性に修飾されたmRNAワクチンは自然免疫や細胞免疫を抑制する作用が知られている。これにはTLRを介する免疫抑制機構、抗原原罪と呼ばれる抗体産性機構の変化、IgG4による免疫系クラススイッチ現象(2022, Irrgang)などが関与しており、コロナウイルス(ブレイクスルー感染)を含む様々なウイルスや病原菌に罹患しやすくなる(日和見感染症)。帯状疱疹はその中の一つに過ぎない。この免疫抑制機構により『ターボ癌』と呼ばれるステージ4で増殖速度が著しく速いガンが激増している。(井上正康先生)

抗原原罪(免疫の刷り込み)とは、ある人の免疫系が、最初に曝露したウイルス株に再び遭遇したときに強く反応する一方で、別の近縁な株への反応は弱くなる現象のことです。