新型コロナ後遺症と抗核抗体

まとめ:後遺症の検査で行う抗核抗体は、主に自己免疫疾患のリスクを反映します。

抗核抗体(antinuclear antibody: ANA)は、自己の細胞中にある細胞核を構成する成分を抗原とする自己抗体の総称です。自己免疫疾患が疑われた場合のスクリーニング検査として利用されています。

ポストCOVID症候群の患者における陽性ANAスクリーニングの高頻度と、陽性スクリーニングと自己報告された関節痛との関連性を実証しています。(2022, Tamaniz)

新型コロナ後遺症の患者が、急性罹患後12ヶ月において、抗核抗体の陽性と炎症所見(α-TNF)が相関しており、自己免疫疾患との関連が疑われます。(2023, Son)

新型コロナ感染症の131人について、抗核抗体を有する COVID-19 患者の数は 36.4% (N: 131/48) でしたが、症状の重症度との相関はありませんでした。(2023, Vahabi)

96人のCOVID-19 症状の発症後 12 か月の時点で、77.1%の患者が後遺症の症状を示し、43.6% で ANAが陽性であったことが報告されています。ANA陽性は情勢に多い、ブレインフォッグを示す患者でANAの力価が高かったことが指摘されています。(2022, Seeßle)

新型コロナワクチン接種後に、抗核抗体が陽性になった自己免疫様肝炎となった症例が報告されています。(2021, Ghielmetti)