皮膚そう痒症の中医治療

皮膚そう痒症は、瘙痒のみで原発疹は見られない。中医では、風瘙痒(pruritus cutaneus)と呼ばれます。

血熱生風青壮年に多く、夏季に生じる。皮膚の瘙痒感・灼熱感があり、掻破した箇所には線状血痕を呈し、温めるとひどくなり冷やすと軽くなる。心煩を伴い、香辛料を食べると瘙痒が激しくなる。心煩・口渇を伴う舌質:紅 苔:薄黄 脈:弦数治法:涼血清熱・消風止痒
方剤:止痒熄風散加減
生地黄・竜骨・牡蛎 各15g、玄参・当帰・白芍薬・丹参 各10g、防風・甘草・蝉退・黄芩 各6g
風盛作痒春季に生じる。不定の全身性瘙痒を特徴とし、掻破出血して皮疹の消長を繰り返す。化膿感染は少ない。滲出液は乏しく皮膚の乾燥結痂から、徐々に皮膚の肥厚をみて牛の首の皮様または苔癬様になる。舌質:紅 苔:薄黄 脈:弦数治法:捜風清熱・敗毒止痒
方剤:烏蛇駆風湯加減
烏梢蛇・羌活・蝉退・荊芥・黄芩 各6g、防風・連翹・金銀花 各10g、赤小豆・釣藤鈎・刺蒺藜 各15g
風湿客膚青壮年に多く、盛夏の時期に生じる。非常に強い瘙痒があり、何度も掻破したり熱い湯で洗ったりすると湿疹様に変化する。『外科啓玄』には「この証、多くは両下腿両側、膝から足(踝骨)まで、血が風邪を受けて生じる。瘙痒がひどく、掻破によって黄水を伴う瘡となる」と述べている。舌質:淡紅 苔:白膩 脈:弦滑
治法:祛風勝湿・清熱止痒
方剤:全虫方加減
全蝎・皂角刺(化痰止咳)・苦参 各6g、白蒺藜・威霊仙・白鮮皮・黄柏 各12g、生薏苡仁・赤小豆 各15g、牡丹皮・防風 各10g
風寒束表陽気不足の者に多く、冬季に多発する。瘙痒は全身性である。特に前脛骨部に顕著である。瘙痒は寒冷によって誘発悪化する。寒い室外から暖かい室内に入ったときや、衣服を脱いで寝るときなど、急激な気温変化でひどくなる。乾燥した皮膚は少量の糠様鱗屑で覆われ、温まるか発汗することによって瘙痒が軽減する。舌淡紅、苔薄白、脈浮緊或浮緩治法:散寒祛風・和営止痒方剤:桂麻各半湯加減麻黄、桂枝、白芍、桔梗、荊芥、防風、乾姜、羌活、独活、甘草、大棗
血虚生風高齢者や虚弱者に多く、秋冬に好発する。皮膚は乾燥して掻破痕が広がり、夜間増悪。疲労によっても悪化。精神倦怠、顔面蒼白、動悸、不眠、納少などを伴うことがある。舌質:淡 苔:薄白 脈:細治法:養血消風、潤燥止痒
方剤:養血潤膚飲加減
当帰・天門冬、麦門冬、天花粉、黄耆、生地、熟地黄 、釣藤鈎、何首烏、黄芩、紅花、桃仁、皂角刺、升麻
当帰飲子加減当帰、芍薬、川芎、地黄、蒺藜子、牡丹皮、紫根、防風、荊芥、黄耆、何首烏、甘草
瘀血阻滞いずれの年齢にも発症、季節性はない。瘙痒は、腰、足背、手腕に限定。顔色暗黒、口唇紫。舌質:暗、瘀点、瘀班 苔:少 脈:細渋治法:活血化瘀、消風止痒
方剤:活血祛風湯加減
当帰、桃仁、益母草、防風、荊芥、紅花、甘草、蝉退、赤芍、蒺藜子、釣藤鈎
脾虚衛弱慢性に経過し、頑固な瘙痒を呈する。皮膚は乾燥し、色素沈着や肥厚を伴うことがある。腰膝酸軟、めまい、耳鳴、不眠などを伴う。舌質:淡紅 苔:少或薄 脈:虚細弱治法:健脾益気、佐として固表
方剤:人参健脾湯加減
人参、黄耆、白朮、陳皮、防風、茯苓、荊芥、縮砂、枳穀、玫瑰花、甘草、黄連、厚朴