トラウマと裁判

これまでに、様々なトラウマを抱える方の裁判を見させてもらってきました。

確実に言えることは、裁判を乗り越えると、例え完全勝訴でなかったとしても、皆さんかなり回復されます。

トラウマというものは理不尽に嫌な思いをすることですが、それを裁判などで戦わずに、そのまま何もなかったかのように、自分を誤魔化し続けると、自分の精神を蝕む結果になってしまいます。

裁判が成立しないような嫌な体験や大昔のトラウマなどもありますが、現在進行系で戦うことが可能であるなら、裁判や裁判まで至らなくても口論で戦うことが選択枝のひとつです。

現在進行系で戦うことが出来ないケースは、トラウマセラピーが有効になります。

事を荒立てずに逃げ隠れする生き方も、正面切って戦う生き方も、どちらも筆舌に尽くしがたいほど大変な生き方ですが、突破口を開くのは、後者の戦う生き方です。

沢山あるトラウマセラピーは、過去のトラウマを対象に治療します。

しかし、現実にはトラウマで苦しんでおられる複雑性ptsdの方は、トラウマパターンと言ってよい、毎回よく似た対人関係のパターンがあります。

良好な対人関係は、鬼ごっこに例えると、追う方と追われる方が常に入れ替わります。トラウマになる対人関係は、追う方と追われる方が常に同じで入れ替わりません。これが、いわゆるイジメで、トラウマになる対人関係です。

遊びの関係では、両者に闘争逃走反応が存在しますが、イジメの関係では加害者は闘争反応のみで、被害者は逃走反応のみです。

トラウマパターンでは、闘争反応がなく、逃走反応、恐怖心、回避、解離、トラウマ記憶(負荷)、うつ(負荷がかかった状態)に至ります。

このトラウマパターンは過去だけでなく、今後実生活で毎日起こってくる現在、未来でも繰り返しますので、現在から未来の対人ストレスに対して、トラウマパターンに陥らずに、適切に戦ったり逃げたり(闘争逃走反応)して、生き延びる力が必要となります。

適切に闘争逃走反応を完了させることで、新たな気づき、負荷を下ろすことが出来て、新たな関係性が生まれてきます。