ワクチン接種と抗スパイクタンパク質IgG抗体価

まとめ:ワクチン接種後約4週間で、抗スパイクタンパク質IgG抗体価はピークに達した後、半減期3週間で指数関数的に減少します。そこに感染が加わった場合は、抗体価の減衰は少なくなります。

新型コロナ感染後、IgGは2から8週間でピークに到達して、半減期は3週間で、指数関数的に減衰していきます。ほとんどの患者で、感染後12ヶ月から14ヶ月まで抗スパイクタンパク質抗体が検出可能であることが報告されています。(2022, Van Elslande)

mRNA COVID-19 ワクチンの 2 回目および 3 回目の投与後の抗 SARS-CoV-2 スパイク抗体(アボット社、ロッシュ社)について調べた結果、通常は180日で抗体価は90%以上下がるが、ワクチン接種後に新型コロナ感染が加わった場合は、抗体価が180日経過してもあまり下がらないことが指摘されています。(2023, Yamamoto)

参加者総数15,980 人からなる 18 件の論文のレヴューで、新型コロナワクチンを2回目を接種後、21日から28日で体液性免疫はピークに達しますが、その後は徐々に低下して、6ヶ月後では抗スパイク IgG 抗体が55-85%の低下を示しました。(2022, Notarte)

ワクチン接種後1年間の医療従事者におけるSARS-CoV-2抗スパイク総抗体を調べた結果、不活性化ワクチンに比べてmRNAワクチンでは、抗体価が高く維持されることが報告されています。(2023, Tok)

新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン、DNAワクチン、不活性化ワクチンの3種類を比較すると、抗スパイクIgG抗体の接種後の減少速度は、mRNAワクチンが最も遅くなります。(2022, Barin)