金森式vs小出式!?ダイエット

ベストセラーの金森式ダイエットの「運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット」とアトキンス式低炭水化物ダイエットと、私の考えるダイエット(小出式!?)を比較考察してみます。

これらはいずれもケトン食療法に分類されます。

私は基本的にはロカボを勧めていますが、BMIが極端に高い方には断糖系のダイエットを勧めることもあります。

ダイエットにはリバウンドがつきものですが、「強固な意思」+「完全主義」の方でないと、断糖の継続はまず無理です。

甘いものが溢れる現代社会の誘惑や依存を振り切る「強固な意思」と、すべての食材の糖質量を計算し管理出来る「完全主義」の両方が必須です。

バターコーヒーダイエットも有名ですが、これがバターコーヒー+トーストになると、簡単に太ります。

金森式では、「肥満ホルモンのインスリンを分泌しにくさから脂質を中心にして、タンパク質を1日1回たっぷり摂取する」とされたところが優れています。

グラムあたりのタンパク質のインスリン上昇効果は、脂肪の2倍であることが報告されています。(2009, Lan-Pidhainy)

私の考えでは高脂肪食を中心にした場合は、二次性胆汁酸による発癌リスク白血球(好中球)減少奥山治美先生の指摘する植物油のリスク子供の成長抑制のリスクなどありますので、高タンパク食を中心にして、高脂肪食を補助的に使うほうが、より健康的ではないかと考えています。

「紅茶+生クリーム」などで食欲を上手に抑えることが出来る方は、高脂肪食を試されても良いと思います。

インクレチンの点からは、食欲抑制効果を持つGLP-1をより分泌させる脂質の方が有利です。

栄養感知キナーゼのmTORから見ると、オートファジーを抑制するタンパク質よりも、抑制しない脂質が有利です。

この点から金森式ダイエットは、GLP-1ダイエットとメカニズムは似ています。

ダイエットは自分の脂肪を燃焼させることなので、外から摂る脂肪が燃焼する量が多ければ、ケトン体質になっていても痩せませんので、ここも要注意です。

間欠断食とは、食事を昼食と夕食だけにして、朝食を抜いて1日16時間断食を行う方法です。

脂肪の燃焼は、体内に蓄えられたグリコーゲンが枯渇しないと開始されません。筋肉量にも依存しますが通常はグリコーゲンの枯渇に12時間かかるので、夕食後から次の日の昼食までの16時間断食を行います。

朝食で糖質を摂っている場合は、グリコーゲンの消費がストップするので、痩せモードに入れません。

食べる回数は、3食より2食、1.5食、1食がより体重減少には有利です。(2007, Stote)一方で、人間は腸内細菌との共生生物であり、24時間代謝を行っていますので、食事の回数が1食ではエサ不足で体調不良に陥る可能性があります。私自身は、1日1.5食です。

葉野菜やきのこなどの低糖質炭水化物の摂取は軽視されていますが、私は栄養面、特に腸内細菌から考えて可能な範囲で摂取すべきだと考えています。ただし、このダイエットでは1日糖質量20gまでが目安で、糖質量の多い果物と根菜は食べられません。カロリーは関係ありません。

ダイエットが成功したら最終的には、アトキンス式の原法と同じで、その人がリバンウンドを起こさない量の糖質(おおよそ1日糖質100g程度、または下腹が太らない量)は摂られるロカボに移行することを勧めます。

この際の炭水化物は、低グリセミック指数食に従って、インスリンを出しにくくケトン体質を維持しやすい、根菜や果物や蕎麦で、精製糖質(ご飯、パン、麺、お菓子、ジュースなど)は出来るだけ摂らないことをお勧めしています。