骨ミネラル、マグネシウム、カルシウム、リン

骨に関係する3つのミネラルであるマグネシウムとカルシウムとリンは、腸吸収と腎排泄で調節され、これらはビタミンDと副甲状腺ホルモンによるフィードバックを受けます。(2018, Alawi)

副甲状腺ホルモンは、血清カルシウムと血清マグネシウムを上昇させて、血清リンを低下させるように働きます。

ビタミンDは腸管から、カルシウム、リン、マグネシウムの吸収を促進させます。

■リンは必須ミネラルですが、骨ミネラルの中では最も警戒が必要です。

高リン血症になると死亡リスクが上がることが報告されています。(寿命を予言する血清リン)

骨ミネラルの中で唯一、副甲状腺ホルモンによる排泄のメカニズムが備わっています。

リンは、必須ミネラルの中で唯一サプリとして販売されていません。

リンの過剰な現代食として、乳製品と食品添加物系の食品があり、心血管リスクおよび骨量低下が懸念されています。(医者が私についた嘘〜骨粗鬆症について)

■カルシウムも必須ミネラルですが、一定の注意が必要です。

カルシウムサプリメントついては、心血管リスクを上げるリスク、ミルクアルカリ症候群(腎不全、便秘)のリスクが指摘されています。(カルシウムサプリメント)

■マグネシウムは、一定の注意は必要ですが、現代の健康管理において積極的な摂取が望まれます。

高マグネシウム血症(hypermagnesemia)は、腎不全のある方に酸化マグネシウムを投与している時に起こるケースが一般的で、治療は原因薬剤の中止です。それ以外のケースはまれです。(2006, Onishi)(高マグネシウム)

マグネシウムの補給は、骨粗鬆症(1995, Sojka)、高血圧(2012, Kass)、新型コロナ感染症(2020, Tang)、2型糖尿病(2017, Verma)、不眠症(2021, Mah)などに対する有効性が報告されており、疾患予防と健康管理に対する全般的な有効性が総括されています。(2013, Volpe)(2017, Schwalfenberg)

特に高齢者では、マグネシウムの腸管からの吸収が減り、腎臓からの排泄が増えて、マグネシウム欠乏になりやすいことが知られています。(厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』)