ケトン食療法の禁忌について
一般的には、肝硬変や肝臓がんを抱える患者さんや、1型糖尿病の人には、ケトン食療法は適用できないと言われています。
ケトン体を合成し、全身に送り出す役割を担う肝臓の機能が不十分であれば、ケトン体を産生出来ませんので、難しいかもしれません。
残存している肝機能との兼ね合いになると思います。
自分自身が1型糖尿病であるバーンスタイン医師は、厳しい糖質制限を基本的に勧めておられます。
バースタイン医師のガイドラインでは、糖質は6-12-12の法則があります。
朝6g、昼12g、夕12gで、1日合計30gです。
これは、ほとんどケトン食に近い食事内容です。
私の意見としても、1型糖尿病のケトン食療法は可能です。
理想的なケトン食療法では、インスリンは使いません=分泌させないようにします。
1型糖尿病のケトン食療法での注意点は、2つです。
①インスリンの打ち忘れをしない。
②糖質のドカ食いをしない。
この2つを守れば、急激なケトン体産生は起こしません。
むしろ普段から、グルコースをエネルギーにするのではなく、ケトン体をエネルギーとして利用する体質(=ケトジェニック)であれば、すでにあるケトン体で、全身のエネルギーはまかなえているわけですから、急激なケトン体産生は起きにくくなってます。
逆に、ケトジェニックに体質を変えることによって、糖尿病性ケトアシドーシスを予防できると言えます。